(ひづめ弘子)
2月12日に開かれたオリンピック組織委員会の会議で、森喜朗会長が正式に辞任しました。「女性がたくさん入っている理事会は、時間がかかる」という女性蔑視の発言に対する責任をとっての辞任です。当初は開き直っていたものの、国内外の大きな批判の広がりに、辞任を余儀なくされたかたちです。しかし、本当に反省しているとはいえません。私も7日には、日本共産党女性後援会のみなさんと街頭から抗議の声をあげました。
ひどいのは、辞任を慰留してきた自民党の幹部たちの発言です。二階俊博幹事長は記者会見で「撤回しているから辞任の必要はない」「世論は瞬間的なもの」「時間がたてば考え方も変わる」と堂々と述べました。こんな政治だから、日本はいまだに変われないのです。「女だから」「女のくせに」と言われ続けてきた私たち。すべての人たちの個性、多様性、能力を発揮できる社会でこそ、男性も含めて豊かに暮らせる政治、社会になるということが、どうしてわからないのでしょうか。これこそが、ジェンダーギャップ指数で日本が153か国中121位となっている最大の要因です。
富山県議会も、いまだ女性議員は40人中4人にとどまっています。でも、この4人の女性議員たちは、それぞれの分野で大きな力を発揮しています。女性たちの生活や子育て、経験に根差した発言は、各会議でも大いに役割を発揮しています。
昨年は、県内の女性たちが実行委員会を作って「女性差別撤廃条約の選択議定書批准、および国内法整備を求める意見書」の採択を、県議会に請願。1年間じっくり準備して、自民党議員も巻き込むかたちで働きかけてこられました。これに応えて、自民党2人と社民、共産の4人の女性議員全員がリレー講演会の話してを引き受け、昨年11月県議会に提出された「請願」の紹介議員を引き受けました。そして、12月14日の本会議で「意見書」は、みごと全会一致で採択されたのです。県段階の議会としては、全国6番目の採択とのことです。実行委員会のみなさんは「女性議員が増えることは本当に力だと改めて認識しました」と言ってくださいました。
森喜朗発言は、森氏の辞任では終わりません。それを許してきた「時代遅れの政治」「女性が生きづらい社会」を変える大きなきっかけにしなくてはなりません。それぞれが声をあげて頑張りましょう!