トピックス

9月5日県土整備観光委員会での質問=9月定例県議会、ひづめ県議の質問

2019年9月4日 火爪弘子

売却県有地の産業廃棄物埋設問題について

一昨日の地元紙の報道で、2年前に売却した富山市蓮町の元県有地に、産業廃棄物が埋まっていることがわかり、宅地造成がストップしているとの報道があった。不動産業者は、その責任は県にあると主張し、県に8億円の損害賠償を求めて提訴したとのことだ。しかし、ここは水橋高校との再編が計画される富山北部高校のグランドの隣接地であり、地元にとっても大事な地域だ。住宅の造成にこだわらずに、早期の解決と活用を望みたい。事実経過と見解を部長に問う。(土木部長)

日韓問題の影響と今後について

エアソウル便の運休についての報告があった。官公庁の8月21日の発表によれば、7月の韓国人旅行客は全国では前年同月比で7.6%減となっている。韓国からの県内への観光客数への影響はどうか。(国際観光課長)

日韓の歴史問題を、経済問題に波及させたり、民間交流を中止させたりすべきではない。日本政府は、歴史問題を「ホワイト国」指定解除につなげるべきではなかった。両政府が感情的になって事態を拡大することなく、打開にむけて冷静に話し合うよう働きかけるべきだ。観光・交通部門を中心に韓国問題の影響をどう認識し、打開にどう取り組むか、局長の見解を問う。(観光・交通振興局長)

持続可能な観光まちづくりについて

国連が掲げる「持続可能な開発目標」の達成にむけた県のSDGs未来都市計画が、先月30日に公表されている。そのなかで、2030年の評価指標というのが掲げられているが、その一つに立山黒部アルペンルートの外国人観光客を2017年の26万3千人から42万人以上にするという項目がある。どうして、それが「持続可能な開発目標」になるのか、まずその趣旨を問う。(観光戦略課長)

立山黒部の自然を守ることと、外国人観光客を急激に拡大することは簡単には両立できない難しい課題だ。特に立山地域は、観光客の総量規制が必要との指摘もされている。全国的に見ても、急激すぎるインバウンドの拡大に、様々な問題や不安の声があがっている。本当に「持続可能な観光のまちづくり」を目指すなら、目標が大きすぎるのではないか。観光事業者が「稼ぐ観光」をめざすのは大事かもしれないが、自治体は「住んでよし」「訪れてよし」との立場で本来の観光のあるべき姿を、住民とともに探求しなければならない。そこに住んでいる人たちが、観光と産業、文化をつないで、暮らしも心も豊かになることこそが、SDGsの精神だ。全国的にも、湯布院や高山など、徹底的な地元プロジェクトの話し合いで、地元の知恵や力を引き出して事例が数多く紹介されている。「持続可能な観光のまちづくり」をどう考えているのか、見解を問う。

その点で、観光分野で食材や物資、人材を地元で賄う「地元調達率」を重視することも大事ではないか。観光事業所の地元調達率は全国平均で22.3%だが、例えば高山市では47.4%と比較的高いと聞いている。富山県内や、立山地域や黒部地域はどうなっているか。SDGsをいうのならば、こうしたことも重視して取り組むべきではないか。

立山・美女平ロープウェイ計画

今年度、立山・美女平間のロープウェイに関する環境調査が、県と黒部貫光で実施されている。そこで、あわせて地質調査と支柱の位置の慎重な検討を、県が責任を持って実施すべきではないかと感じている。立山黒部貫光の調査依頼書も見せていただいたが、今年の計画に地質調査は含まれていない。今月2日に現地を視察した。山岳関係者など地元に詳しい方々が強く指摘されるのは、あの溶岩台地の35度の斜面に、100人以上も載せる乗り物を支える支柱3本ないし4本を、どうやって建設するのかということだ。立山黒部貫光にとっても、とても荷が重い仕事だと思う。本当に45億円で建つのかを含めて、県の見解を問う。(立山黒部世界ブランド化推進班長)

立山黒部貫光の環境調査計画書では、ロープウェイの「新たな工事用道路の設置は想定されない」とされており、緊急時のエスケーププルートも示されていない。しかし、ご意見をうかがった山岳関係者は、そんなことはあり得ない「ヘリですべては運べない」「資材を運ぶモノレールなども必要になるのではないか」と指摘されている。それを考えると、環境省が指摘した「ケーブルカーの更新に比べて自然の改変が少ないこと」との条件をクリアするのは、相当大変なことなのではないか。この地域のイヌワシ、クマタカを含む自然生態系のかなりの部分が損なわれるのではないか。過少評価にならないよう厳格な調査を要望したい。見解を問う。

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