2019年9月25日 火爪弘子
あいの風とやま鉄道富山駅について
今議会の一般質問で私は、障害者団体のみなさんの取り組みを反映し、富山県美術館や県庁舎、駐車場のバリアフリー化の課題について取り上げた。いろいろ前進面もあったし、生活環境部長からは「今後、施設整備の機会がある場合には、障害のある方の意見も聞いていきたい」との答弁もあった。一般質問の際には、この常任委員会に関わる部分は、残しておいたので、今日はその続きをさせていただきたい。
まず、あいの風とやま鉄道の新しい富山駅についてである。
富山障害フォーラムのみなさんが、6月29日にあいの風とやま鉄道の富山駅を調査され、7月に会社あてに要望書を提出されている。私も、調査に参加させていただいたが、あいの風の駅員さんが、時間を割いて丁寧に案内してくださったことに、感謝したい。要望項目は多岐にわたるが、高山線ホームへの転落防止柵の設置や、エレベータのアナウンスの改善、障害者トイレの敷設ブロックがトイレの入り口で切れている点など、比較的簡単に対応、改善できるものもあるのではないか。要望をどう検討されてきたのかを問う。
要望のなかには、障害者用ICカードの整備、一部車両とホームの隙間の解消、エレベータが狭くて車いすが向きを変えられないなど、他社との調整が必要であるとか、ある程度の予算が必要なものもある。社内でしっかり検討するとともに、検討状況を障害者団体にきちんと説明して欲しい。公共交通のバリアフリー化のために、県としてもあいの風鉄道をしっかり支援すること要望し、見解を問う。
歩道などバリアフリー化について
国土交通省が7月に、全国の主要鉄道駅周辺の面的なバリアフリー化にむけた特定道路の指定を、全国478自治体の4,447キロに拡大したと聞いている。それに対応することは重要だが、国交省の指定は県内で富山駅、高岡駅、小杉駅、魚津駅周辺の4地域のみとなっている。
しかし、それだけでは極めて不十分ではないか。最近ご意見をうかがった盲ろう友の会の会長さんは、稲荷町駅周辺に住んでおられて、介助ボランティアの方と積極的に外出しておられるが、駅周辺に視覚障害者誘導用ブロックがほとんどないと嘆いておられた。あいの風富山駅だけでも県内に20駅あるが、呉羽駅も東富山駅も、駅構内にはブロックがあるのに、一歩外に出れば何もない。水橋駅では、駅前の歩道にまでブロックがちゃんと続いていたが、せめて駅周辺くらいは、こうした整備が必要なのではないか。もちろん大事なのは駅周辺だけではないが、例えば県内のすべての駅周辺の計画を、市町村と協力して掴み、バリアフリー化を推進する必要があるのではないか。どう取り組んでいくのかを問う。
あわせて国交省は、視覚障害者にも配慮した、歩道と車道のあり方についての検討も行うとしている。これまでも、障害者団体との懇談のなかでは、歩道と車道との段差を完全になくしてしまうと、視覚障害者にとっては歩道と車道との区別がつかなくなって危ないとのお話しを聞いていた。富山大学の近くに住む視覚障害者の方が、朝散歩に出られると、歩道と車道の区別がつかずに危ないと奥様が言っておられた。車いす利用者や自転車にとっても優しく、しかも視覚障害者にとっても安全な歩道の整備に、今後どう取り組んでいくのかを問う。
富岩運河、住友運河の整備について
住友運河の新しい矢板護岸と遊歩道の整備が始まって、すでに10年が経過した。これまでに、ライトレールから東側の矢板を打つ工事が完了し、遊歩道と運河の間に新しいフェンスも建てられ、今月からは遊歩道を歩けるようにする工事も始まっている。遊歩道が実際に歩けるようになるのはいつになるのか、地元から質問も寄せられている。今後の整備計画全体の見通しを問う。
住友運河の東奥の米田貯木場を、駐車場と緑地にする工事については、新年度に緑地計画の策定が行われるとのことだ。あわせて、西側の富岩運河と住友運河の合流部の整備についても、地域から早期整備の要望が寄せられている。毎年、県が県自然保護協会の協力で実施している「水辺の生きもの調査」のこの地域での実施などに、期待も寄せられている。馬場記念公園に隣接した部分の遊歩道整備と、生物多様性に配慮した住友運河河口部の整備、遊歩道用の橋の建設などについても早期整備を要望し、今後の計画を問う。