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2022年6月15日 予算特別委員会質問(要旨)津本議員

県議 津本二三男

問1 物価高騰対策等について

(1)消費税の緊急減税について。

いま、賃金上昇のない物価高騰により、貧困世帯、失業者、多くの年金生活者など弱者の生活が急速に行き詰っています。4月の消費者物価調査によれば、水道光熱費や食料品などの生活必需品は4・8%値上がりしたとのことです。

こうした生活必需品を中心にあらゆる分野で値上げラッシュが起きているもとで、消費税の減税はもっとも効果的な物価対策となります。世界では、コロナ禍や物価高騰の中で89の国と地域が付加価値税=消費税の減税に踏み出しているとのことです。

県として、国に対し、消費税の5%への緊急減税を求めていただきたいと考えますがいかがでしょうか。知事にお尋ねします。

(知事)経営管理部

(2)消費税の「適格請求書」制度=インボイス制度について。

インボイスの導入が来年10月に予定されています。これに対し、県議会は今年3月、「シルバー人材センターの安定的な事業運営のためにインボイス導入に係る適切な措置を求める意見書」を全会派の賛成で採択しました。内容は「インボイスが導入されれば、シルバー人材センターの会員がインボイス発行事業者として登録しなければならず、消費税の申告事務が生じるなど会員への負担が大きくなること。また、会員がインボイス事業者として登録しなかった場合には、今度はセンターが仕入税額控除を受けることができず税負担が増大することとなること。センター事業に極めて大きな影響が想定されるため適切な措置を求める」というものです。こうしたことは、シルバー人材センターだけでなく、フリーランスや個人タクシー、大工、商店や飲食店などについても同様に言えるものです。

インボイスは、これまでは消費税納税の義務がなかった年間売り上げ1000万円以下の零細な事業者にも納税義務者になることを迫り、経済的・事務的負担の増大を強いるものです。零細な事業者やフリーランスを苦しめるインボイスの導入について、中止を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。知事の所見を伺います。

(知事)経営管理部

(3)年金について。

年金の支給額が今月6月の支給分から0.4%削減されます。物価高騰のなかでの年金削減です。年金生活者は大変です。

年金は老後の生活だけでなく、地域経済をも支えています。富山県内の家計最終消費支出は(平成30年度の数字ですが)約2兆5千億円。そのうち年金は約5千億円(令和1年度)となっています。年金は県内経済の20%を占めています。年金が下がれば、消費が冷え込み、県内経済にも影響が出ることになります。

物価高騰のなかでの年金削減を中止するよう、国に対し働きかけるべきだと考えますがいかがでしょうか。厚生部長に所見を伺います。

(厚生部長)

(4)中小企業ビヨンドコロナ補助金の「省エネ・コスト削減枠」について。

県は物価高騰対策として、中小企業ビヨンドコロナ補助金において「省エネ・コスト削減枠」を新設する、また「エネルギー効率の向上する設備導入」に対し3年間実質無利子とする融資制度の拡充をするとしています。これは先の2月議会の経営企画委員会において、気候変動対策として求めていたものでもあり歓迎しています。中小企業における省エネ・コスト削減の取組みが広がることを期待しています。

そこで、これらの制度の周知、活用促進にどのように取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねいたします。

(知事)商工労働部

(5)観光キャンペーンの運用改善について。

1人1泊5千円の宿泊割引が、県内旅行だけでなく県外旅行にも広げられています。隣県割が昨年12月にはじまり、今年4月からは中部ブロック9県を対象とするブロック割に拡大されました。

問題は、割引対象となるのが事実上、大手旅行サイトなどを通して宿泊施設を予約した人に限られていることです。県内の旅行代理店を通した人は割引対象にならない。このことから、小さな代理店はお客をとれない状況に追い込まれています。このお話を伺ったのは5月下旬で、ブロック割が6月まで延期される時でした。旅行会社の方は延期のニュースを知ってがっかりされていました。6月に県外旅行が6件入っていたようで、「旅行会社を通せばブロック割が利用できない」と相手方に連絡しキャンセルを促すとのことでした。

地域観光事業を支援するはずの補助金が、県内の旅行代理店に関しては逆に経営を追い詰める補助金となっています。国の制度設計に問題があると私は思っていますが、ブロック県で連携し運用を改善することができないか、地方創生局長にお尋ねします。

(地方創生局長)

問2 生活保護について

コロナ禍そして物価高騰で、生活に困窮する人がさらに増えているものと考えています。そこで、セーフティネットとして生活保護がしっかり機能するように願って以下質問します。

(1)

生活保護法第9条には必要な時に扶助しなければならないという「必要即応の原則」が定められています。しかし、県内の自治体では保護決定、支給まで数週間かかっている例もあると聞きます。最近も、ホームレスで所持金が数千円とわずかであるにもかかわらず、福祉事務所からは保護決定までに3週間から1カ月かかる。その間の命をつなぐ資金である緊急小口資金の申請も、その3週間から1か月先の保護決定をしてからと言われた、といったお話を聞きました。これでは生きていけません。

そこで、生活保護費、生活福祉資金(緊急小口資金)の申請から支給までにかかる日数について県内の実態はどうか。厚生部長にお尋ねいたします。

(厚生部長)

(2)

3年前にも議会の質問で、保護申請の相談にこられた方に「田を売ってから来てください」とか、ホームレスの方に「住所を用意してから来てください」とした対応を問題にしました。こうした不適切な運用が起きる背景には、福祉事務所の脆弱さ=人員不足、人事異動サイクルが短いなどがあると考えています。

それを補うために、生活保護の運用に関して現場で起きている様々な事案に対応できるように、県において手引書を作成する、また関係職員の研修を行うなどが必要と考えますがいかがでしょうか。厚生部長に所見をお尋ねします。

(厚生部長)

(3)扶養照会について。

扶養照会が生活保護を受けるネックになっているとして、厚生労働省は扶養照会にかかる実務運用を昨年2月と4月にあいついで改訂しました。「暴力・虐待を受けた場合」については、これまでは「扶養照会をしなくても差し支えない」としていたものを「扶養照会をしないこと」とし自治体の裁量ができないようにしました。また、申請者の意向を尊重しなければならないこと、「扶養照会は扶養義務の履行が期待できると判断されたものに対して行うこと」といった旨の規定が追加されました。

こうした規定を受けて、困窮者を支援する民間団体が「申出書の様式」をつくり、公開しています。そこで、申請者がこうした民間団体が作成している「申出書」を活用することについて、「扶養照会をしてほしくない」という意思を伝えるうえで有効な手段の一つと考えますがいかがでしょうか。厚生部長に所見を伺います。

(厚生部長)

(4)携帯電話の支援について。

厚労省は今年1月、「生活困窮者等へ携帯電話等サービスを提供している事業者リストについて」という通知を出しました。世田谷区社会福祉協議会では、この厚労省の「事業者リスト」にも紹介されている「リスタート・ケイタイ」と連携して、携帯電話の貸し出しを事業化しているとのことです。携帯電話の所持により支援を効果的に進められると職員が判断した場合、相談者は金銭負担なく3か月間所持することができるとのことです。

携帯電話が止まっていると、就職活動の様々な場面でハードルが生じ生活に必要な情報も得ることができません。携帯電話は生活困窮者にとって命綱となっています。生活困窮者に対して、携帯電話等の所持への支援が必要と考えますがいかがでしょうか、厚生部長に所見をお尋ねします。

(厚生部長)

問3 地域交通の危機と再生に向けて

(1)公共交通のあり方について。

昨年、国は「第2次交通政策基本計画」を策定しました。この中において、「交通事業が独立採算制を前提として存続することはこれまでにも増して困難となっており、このままではあらゆる地域において、路線の廃止・撤退が雪崩を打つ『交通崩壊』が起きかねない」と危機感を表明しました。それにもかかわらず、取り組みについては「従来型の商業的手法に加え、公助、共助、自助などあらゆる手法を合理的かつ柔軟に組み合わせる」とし「従来型の商業的手法」を原則としました。

一方、地域交通の専門家からは「公共交通を再生するためには、これまでの市場競争・自立採算重視の交通政策を見直し、公共負担原則に見直すことが必要」と指摘されています。私はこの指摘に同感するものでありますが、県はどう捉えておられるのか、交通政策局長に所見を伺います。

(交通政策局長)

(2)

また、地域交通の専門家は、「地域における公共交通の整備は、基本的に地方自治体の責任とされ政府は基本的に調整者の域を出てはいない。分権化を進めることは必要であるがそれにふさわしい財源が地方に移譲されていない」と指摘しています。責任にふさわしい財源を地方に移譲するよう求めていくべきと考えますがいかがでしょうか。知事に所見をお尋ねします

(知事)交通政策局

(3)

先日、射水市内の住民から、免許証を返納したが富山大学附属病院にいく公共交通がなくて困っている。やむなく3000円かけてタクシーで行っている。行き帰りの2便でよいから病院バスを出してほしいと訴えられました。

2月議会でも申し上げましたが、免許証を返納する高齢者が増えるなか、そうした方々の交通手段を確保することが求められています。特に、複数の市町村を経由する地域公共交通の確保については県が主導的に取り組んでいただきたいと考えますがいかがでしょうか。交通政策局長に所見を伺います。

(交通政策局長)

問4 PFIについて

(1)県武道館の基本設計の見直し、今後行われるVFM評価等について。

2月議会において、県武道館の基本設計の見直しにあたっては、県内武道関係者などの要望で取り入れたものについては損なわないようにするとの答弁がありました。その検討は密室で行うのではなく、県民にも公開して意見を求めるべきだと考えています。

また、2月議会においても申し上げましたが、国のPFI事業の審査委員などを務めてこられた岸道雄氏はイギリスと日本のPFIを比較したうえで、「日本のPFIについても、VFM評価において客観性と透明性に問題があり恣意性を排除できない」とされ、県民がチェックできるよう算定根拠などの公開を提言されています。

基本設計の見直し、また、今後行われるVFM評価などにあたっては、県民にオープンな形で検討すべきと考えますがいかがでしょうか。知事に所見を伺います。

(知事)生活環境文化部

(2)パークPFIについてです。

県では8カ所の県立都市公園を対象に民間活力の導入に向けたサウンディング調査に取り組むとされています。サウンディング調査とは、民間事業者からアイデアをだしてもらい対話を通して市場性や事業フレームを検討するための調査だとのことであり、主としてパークPFIの導入を考えているとのことです。

全国的には京都、東京、神奈川などパークPFIを先行して導入しているところもありますが、樹木を伐採するなど問題のあるところも少なくないと聞いています。樹木を減らせば減らすほど管理費を軽減できるからですが、収益をあげることを目的とするパークPFIではこうした弊害もあるということをご承知でしょうか。

そこで、パークPFI導入にあたっては収益性だけでなく、自然環境の保全など公園としての公益性をどのように担保していくのかについて、土木部長の所見を伺います。

(土木部長)

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