県議 津本二三男
いま上程されている議案のうち日本共産党は、議案第90号令和4年度富山県一般会計補正予算(第3号)、議案第98号県職員及び県費負担教職員の定年等に関する条例等の一部改正の件に反対をしますのでその理由を申し上げます。
まず、一般会計補正予算です。
この中で反対するのは、「マイナンバーカード取得・支援事業」、「マイナンバーカード利活用プラットフォーム実証事業」の2つの事業です。これらは、マイナンバーカードの取得・活用の促進を目的とするものです。
政府は、「ほぼ全国民にマイナンバーカードを交付する」との目標を掲げ、マイナンバーカードの取得をなりふりかまわず推進しています。そして、カードの持つ「カギ機能」を使って、政府の運営するウェブサイト「マイナポータル」を入り口にした情報連携、個人データの集積を進めようとしています。個人情報が集まれば集まるほど攻撃され情報漏えいのリスクは高まります。また、本人に不利益な使い方をされることも懸念されます。国民の間には自らの個人情報、プライバシーが守られるのかといった不安が広くあります。そのため、多くの国ではデジタル化の進展にあわせて国民のプライバシーを守るための法律や監督機関の整備を進めています。EU諸国では個人データの分散管理へと動きつつあります。こうした世界の流れに逆行し、マイナンバーカードの普及を進め、マイナポータルで情報の連携、集積を進める。こうした動きには同意できません。
次に、県職員及び県費負担教職員の定年等に関する条例等の一部改正の件です。年金支給が開始されるのは65歳から。それまでの雇用を保障する、定年延長が実現することを歓迎します。しかし、定年延長後の給与が60歳時の給与の一律7割とする点に問題があると考えており、再考を求める立場から反対します。最新のデータによれば、民間では定年延長をしても給与を減額しない事業所が半数をこえており、減額しているとしても給与水準は77%となっています。県職員の給与には民間給与との均衡が求められます。7割=70%と低くすることには合理性がありません。また、60歳時に給与が高かった幹部職員が、定年延長後も、同じ仕事をしても優遇され続けることに不公平との意見が寄せられています。再考すべきと考えます。定年延長の導入とともに、再任用が適用される職員の賃金の低さが一層際立っています。再任用職員の賃金改善をあわせて求め、討論といたします。