県議 津本二三男
問1 インボイス制度について
来年10月1日から、消費税のインボイス制度が導入されます。インボイスとは「適格請求書」と言われるもので、この請求書を発行するには、消費税を税務署に納める課税業者であることが必要です。
さて、これまでは、仕入れ総額から割り戻しをして、「仕入税額控除」を計算していましたが、インボイス制度の導入後は、仕入れのときに受け取った各インボイスに書かれた消費税の合計しか税額控除ができなくなります。インボイスを発行できない免税業者からの仕入れは、税額控除ができなくなるため、買い手はその分、多くの消費税を納税しなければならないということになります。
このことから、インボイスが導入されると、売上が1000万円以下の、中小零細企業やフリーランスなどの免税業者が、民間取引から排除されてしまうと言われています。しかし、こうしたことは民間取引に留まらず、地方自治体や公益法人との取引においても、同様の影響が出てくると指摘されています。
そこで、以下3点についてお尋ねします。
(1)インボイス制度が導入されると、地方自治体にはどのような影響があるのか。税務課長にお尋ねいたします。
(2)インボイス制度では、地方自治体や公益財団法人もインボイスの登録をすることになります。つまり、消費税を税務署に納税する立場になります(特別会計や公営企業会計など。一般会計は特例で免除)。そこで、全国の自治体のなかには、買い手としての仕入税額控除を確保するために、物品などの発注において、消費税の免税業者を排除する動きもあると聞いています。それに対し、国は、免税業者を排除するのは「適当ではない」としていますが、県としてどのように認識しているのか。総務会計課長にお尋ねいたします。
(3)県が委託している県有施設の指定管理者や、県の外郭団体においてはどうなるのか。やはり、免税業者を排除すべきではないと考えますが、県としてどのように考えておられるのか、公民連携・行政改革課長にお尋ねいたします。
問2 富山県カーボンニュートラル戦略について
(1)現在策定中の富山県カーボンニュートラル戦略において、県が2030年度の二酸化炭素(CO2)などの排出量を、2013年度比で53%を削減するという目標素案を示したと報道されています。そこで、このCO2の削減目標は、国連が基準としている2010年度比でいくと、何%となるのか。カーボンニュートラル推進課長にお尋ねいたします。
(2)電気の需要と供給のバランスを一致させるために、「優先給電ルールや出力抑制ルール」が定められています。これによれば、原発(長期固定電源)は太陽光発電など(自然変動電源)よりも優先して発電するとされています。九州電力では、4基の原発が再稼働し、太陽光発電の出力抑制が頻発しているとの報告を読みました。原発が再生可能エネルギー普及の足かせになっていると指摘されています。
北陸電力では、志賀原子力発電所の再稼働を目指しています。このことで、県の再生可能エネルギー導入目標に影響はあるのか、カーボンニュートラル戦略課長にお尋ねいたします。